エポック社「戦国大名」ヴァリアント・ルール

戦国大名をメイルぷろう!!

戦国大名メイルプレイのすすめ

TICTACS No.20(1997年10/11月)

栗山 功 

はじめに
 SLG界では超メジャーなこのゲーム、今更解説など必要としないだろう。もはや知らない人はいないのではないだろうか? どこのコンベンションに行っても、「<EP>戦国大名」のテーブルは必ず見かけるものである。ただ、多人数でやるとターンあたりの作業時間が増え、時間切れで悔しい思いをすることが多く、また、人数的にも「多人数=面白い=集まらない」という方程式が出来上がってしまい、ゲームをこなしたぞ!!という満足度は低いように感じられる(開始直後の数ターンは皆、経験からいろいろと作戦研究しているが、後半は時間のせいか、投げやりプレイが多く見受けられる)。かといって、ビッグゲームをプレイするように、数日に渡って場所を借りてプレイしたと言う話もあまり聞かない。人、手間、時間、これらすべての条件を満たせそうなもの…、それがメイルプレイなのである。
 私がメイルプレイを始めたのは15年程前のこと。最初はホビージャパン社「IJN」だった。数ヶ月のプレイを終えた後、対戦相手の方から誘われたのが、この「<EP>戦国大名」メイルプレイだった。それから十数年、現在は6回目のプレイを行い、私がレフリーを務めさせていただいている。
 この記事をお読みの皆さんの中にも何人かのメイルプレイのレフリー、マスター経験者、そしてこれから始めたいと考えている方がおられると思うが、今回は特に私達のグループのやり方を述べさせていただき、それぞれの参考にしていただきたい。

戦国大名メイルプレイとは
 ご存知の通り、「<EP>戦国大名」を郵便や電子メールを使って遊ぶのに必要なものは、プレイヤーとレフリー(マスター)、切手(電話)、封筒、メモ用紙、そして時間と若干のお金である。締切日を守りさえすれば、わざわざ時間を決めて集まる必要はなく、しかも全国、世界中どこからでも気軽に参加出来る。ただし、連絡に時間がかかる都合上、レフリー、プレイヤー共に途中で投げ出さない、継続していこうという意志は必ず必要である(一人の欠落が、ゲームの崩壊を招くことは多いのである)。

準備期間
 まず、発起人が皆に呼びかけ、参加者を集める。プレイヤー6人+レフリー1人以上が望ましい。集まったら、レフリーを決める。レフリーはゲームごとの持ち回りでも良いし、立候補によっても良い。しかし、公平を保つため、出来るだけレフリーとプレイヤーの兼任は避けるべきである。
 その後、シナリオを決定し、ルールを確認する。シナリオもオリジナルルールも勝手に作って良いが、大筋は参加者全員で決め、細かいところはレフリーに委任する。ちなみに、現在私達の行っているメイルプレイは以下のように告知した。

告 知

★シナリオは前回と同じ範囲とルールを継承。
★基本的には、17.3E「戦国への道」を行う。
★東北と九州は使用しない(常陸、下総、下野〜土佐、 周防、長門まで)。
★エキスパンションキットの武将ユニット及びSP武将ユニットを使用(ただし、258源義経、259木曾義仲、264 水戸光圀は使用しない)。
★新ルールはすべて採用する。
★大名1人(2人引いたうちの1人を採用)、家臣なし、兵なし、城5、金10から始める。
★吉凶札は第1ターンから配布する。
★ゲーム開始時、すべての金山は採掘されていない。
★領地決定は自由(入札制)、重複する可能性もある。ランダムにしたいので、決定までの交渉は一切禁止!!
★各大名の所時金は公表される。
★金銭の貸借は送金という形で表す。その都度公表されるが、レフリーに返済等の拘束力はなく送金者の一方的な意志で行う(同盟宣言とは異なる)。送金は事前外交時か事後外交時(パートの開始時かすべての手順の 後か)のどちらに行うかを明確にすること。書いていない場合は、事前外交とする(この場合、プレイヤーの行動開始前に送金されることになるので、そのために収支計算が合わなくなって行動できなくなる場合があることから、全プレイヤーに送金の時期を明確にすることを義務づけている)。

以上  

大事なシステム!!
 次にシステムについて述べよう。これはグループによって違っていることが多いので、以下に紹介するシステムは一概にBESTとは言えないが、私達のグループでは現在もうまく機能していることから、自信を持ってお薦めするものである。
「<EP>戦国大名」は1ターン(1年)の間に吉凶札(イベント)配布、国力の決定、徴税、2回の移動と戦闘、築城、軍備等に別れており、これらすべてを一回の通信で処理しようとすると、プレイヤーの事前プロットは膨大な量になる。これでは、とてもじゃないがプレイできない。そのため、1ターンを4つのパートに分けて、それぞれ結果を出すことにしている。
 少し変則ではあるが、これはこれで結構うまくいっている。1ターン4パートは長いとお思いの方は合意の上、短縮するといいかも(BとCのパートを一気に計画するというのも聞いたことがある)。

「<EP>戦国大名」メイルプレイ用ターンシークエンスの一例

1.順番決定フェイズ
2.吉凶札配布フェイズ

Dパート。結果報告時に行う。

3.調略フェイズ
4.勢力圏決定フェイズ
5.徴税フェイズ
6.服従工作フェイズ

以上Aパート。

7.第一行軍フェイズ
8.第一合戦フェイズ

以上Bパート。

9.第二行軍フェイズ
10.第二合戦フェイズ

以上Cパート。結果報告時に武将を引く。引いた武将を雇わない場合はその旨を計画書に明記すること

11.築城フェイズ
12.軍備フェイズ

以上Dパート。武将の登用は便宜上、築城フェイズは先立って行う。

※Dパートは築城、軍備(兵雇用、武将雇用)、再配置の順に行う。

※作戦計画書について……書式を統一し、レフリーが使いやすいようにする必要がある。私たちの作戦計画書は、上段に簡単な明細(大名、武将の構成と能力、支配地域、所持金、国力、所持カード等)を付けている(簡単にチェックできるようにするため)。

難しいのは移動システム!!
 さて、ゲームの鍵を握るのは、この移動システムである。通常のプレイのように全プレイヤーの手番通り順番に追っていくと、移動だけで数ヶ月もかかってしまい、また非常に手間である。
 私たちが採用した方法は以下の通りである。

★移動ルール
 “3セグメント方式”を採用する。ただし、移動で敵対する軍がぶつかった場合は、「単に順番の早い方を先手とする」。
@移動フェイズを第一〜第三セグメントに分ける。
A同一セグメント内は同時移動と考える。そのため、 A軍がa国→b国、B軍がb国→c国へとプロッ トしていた場合は両者はプロット通りに移動でき る。ただし、A軍がa国→b国、B軍がb国→a 国へとプロットしてあった場合は、そのターンの 順番を優先順位とし、順番が早い方の計画を採用 する。
Bゲーム進行の簡略化のため、1エリアのみの移動 はすべて第一セグメント、2エリアの移動はすべ て第一と第二セグメント、3エリアの移動はすべ て第一と第二と第三セグメントに行う。このため、 3エリア移動する予定であっても、途中で敵軍と ぶつかり移動できなくなることがあるので注意し なければならない!!
  細かくプロットしてあれば、なお良い。ただし、 海域で敵軍とぶつかっても(たとえ、そこが敵の支 配する海域でも)移動は継続できる(ルールで海域 で移動を終了することは禁止されているため)。
  このシステムでは、1エリアだけの移動を第二 セグメントで行うと言う形は禁止される。

★戦闘(合戦)ルール
 戦闘に関してはとにかく詳細にプロットしてもらうこと、なにも書いていない時は「戦闘力の高い武将により最後の一兵まで戦う」ということに統一している。
 この際、同盟関係がややこしいが、私達のグループでは同盟は同時宣言制で両方の宣言がなければ無効になる(プレイヤーのミスが一番多いので注意!!)

★遅刻レフリーorプレイヤーのペナルティ
 どうしても、どんなに注意しても全員が締切を守ることは難しいようである。
 泣いて馬謖を斬るつもりで以下のようなルールを作ったが、意外と役立っているようである!?

☆レフリーのペナルティ
 基本的に1カ月以上遅れているようであれば、レフリーは自己判断で各プレイヤーにペナルティを課すことができる。サイクルはおよそ締切日からということする。

レフリーのペナルティ表

サイコロ 1D6
1〜2 金10の発見
3〜4 内政力or威信のUP
5〜6 新武将の飛び入り「<EP>戦国大名」メイルプレイ用 ターンシークエンスの一例

プレイヤーのペナルティ
 事前申請の遅刻は1回まで可。無断遅刻、2回目以降の申請は残念ながらペナルティの対象となる。

●最初の遅刻……全国宣言にて他プレイヤーに告知。これは、不連続の1回目のことを指している。つまり、2回に1回であれば常にこのペナルティ表を使する。

最初の遅刻ペナルティ表

サイコロ 2D6              
2.金5の発見、獲得!!(^^)
3.ランダムの5つの支配地域で不穏発生 
4.大名の内政力1低下(;_;)
5.金10損失 
6.(家臣の内通により)手持ちカードの露見及び金5損失
7.ランダムの2つの支配地域で不穏発生 
8.ランダムの1つの支配地域で中立勢力発生
9.大名の威信1低下 
10.ランダムの3つの支配地域で不穏発生
11.戦闘時、すべてのサイコロの目が2不利になる。また、包囲戦闘は全て失敗!!
12.中立勢力との一部和解(5勢力を除去できる) v(^^)v

※金の損失で所持金が足りなければ兵の離散で 充当する。

●連続2回目の遅刻……全国宣言にて他プレイヤーに告知。厳重注意!! ただし、これは連続の場合のみを指す。

連続2回目の遅刻ペナルティ表

自動的ペナルティ 1D6 
 大名の内政力(1〜2)or威信(3〜6)1低下、さらにサイコロ 2D6

2.金5の発見、獲得!!(^^)
3.すべての支配地域で不穏発生 
4.半数の兵の離散、さらに戦闘時、すべてのサイコロの目が2不利になる。包囲戦闘は  全て失敗!!
5.金15損失
6.(家臣の内通により)手持ちカードの露見(全大名に)及び金10損失 
7.ランダムの2つの支配地域で不穏発生
8.ランダムの1つの支配地域で中立勢力発生
9.大名の威信、さらに1低下
10.家臣の裏切り及び手持ちカードの露見及び金5損失(家臣裏切りチェック、そして全大名にカードの露見、金5損失。ただし、裏切った武将が特定の大名の配下につけば、その大名はカードの露見と金5獲得の権利を得る)
11.ランダムの3つの支配地域で中立勢力発生(;_;)
12.沙汰なし 

★プレイヤーの長期休戦及び脱落
 申請があった場合、2カ月以内の休戦は認める。また、脱落もなにか理由があることなのでやむを得ないと考える。できれば、代替プレイヤーをお願いするが、休戦を申請したプレイヤーに関しては、復帰を認める(代替プレイヤーと交代する)。
 代替プレイヤーがいない場合、他のプレイヤーとレフリーが代替プレイヤーを探す。この場合、申請されたプレイヤーの復帰は、「大名の復活」の手順を踏む(この方がおもしろい!?)。
 代替プレイヤーが見つからない間、その大名はレフリーが管理する。自勢力内地域(他勢力と混在していない自勢力の存在する地域)をプレイヤー脱落時に決定する。外交交渉はすべて凍結し、他勢力の支配地域への調略、軍事作戦、吉凶札の使用は行わない。他勢力と同じ(中立は除く)地域にいた場合は、速やかに撤退する。内政はレフリーが管理する(服従工作は可能な限りする、重税はしない、軍備の増強は最大枠まで行う等の一定の基準を作っている)。
 ここで問題になるのが、自勢力内地域での戦闘である。その大名の自勢力内地域と隣接していない、そして一番遠い領土を持つ大名か同盟大名に、他大名が侵略してきた場合の移動、戦闘、自勢力内地域内での他勢力への調略をしてもらう(戦闘は自勢力内地域を奪回するまで行われる)。
 また、他大名は脱落大名の自勢力内地域奪回に協力する形で、脱落大名と同盟を結ぶことができる。ただし、この同盟は自勢力内地域を奪回するまで、決して破ってはならない(ルール11-3-1に追加)。

 ペナルティのサイコロ(2と12)はあくまで遊びである。そのサイコロの目を出したプレイヤーは超強運の持ち主だったか、逆境を生かした結果だと思ってほしい(そのために、故意にやってもらったら困るのだが…)。

付録
 最後に特別に私達の作ったオリジナルルールを参考に記します。よかったら使って下さい(ちなみに、私達の現プレイではすべて使用している)。

★大名の復活
 滅亡したプレイヤーは、その時点で空いている地域があれば、そこから復活できる。復活する勢力は大名1人(1回引き)、城5、兵なし、金5となる。
 復活ルールの適用時期については、どのフェイズに滅んでも、次ターンの軍備フェイズの再配置時である(つまり、1回休み)。

★武将ボックスの増設
 新たに、武将ボックス7を加える。

★関東管領
 (扇谷)上杉定正、(山内)上杉顕定、上杉憲政は関東管領職である。彼らが出現すると必ず雇わなくてはならない。ただし、足利将軍家を保護している場合、これを拒否することができる。
 当時、扇谷家と山内家が反目し合っていたことを反映して、両家を共に保護することはできない(その場合、後から引いた方が「足利義昭」のように他の大名の所に行く。なお、その際の引き直しはない)。
 山内家においては、どちらかが管領になるため、もう一人(先に出てきた方)は出現しないことにする(出現した場合は引き直し)。
 彼らの俸禄は一律金6である。また、威信は+1に変更する。ただし、世継ぎや大名として引いてきた場合は、ユニットの額面通りの数値を使用する。
 関東管領には更に以下の特典がある。ただし、これは両家の内、どちらか先に出現した方にだけ与えられる(つまり、後から出てきた方は威信+1の特典しか得られない)。これを区別するため、便宜上関東管領と関東公方と分けることにする(本来なら中身は一緒であるが…)。
 関東管領職は弱体はしていたものの、いぜん関東の中小豪族に対しては将軍並の畏敬を受けていた。このことを反映するために、彼ら(関東管領であって関東公方ではない!!)を保護している大名の関八州の支配地域(上野、下野、武蔵、上総、下総、相模、安房、常陸)において、反乱のカードが出た際、サイコロの目から1引くことができる。
 将軍家+関東管領の組み合わせによる威信の増加は+3となる。
 なお、関東管領、公方の追い出し方は基本的に「足利義昭」と同じである。

★キリシタン弾圧
 キリシタンは、基本的に天草四郎が登場する以外なくならない。しかし、これではカードの山が変わる度に発生していき、どんどん蔓延してしまう。
 これを防ぐため、キリシタン弾圧ルールを設ける。

1:キリシタンとの共存カードを1枚作る
   一向一揆との和睦と全く同じである。
2:キリシタンの弾圧
   大名は、自国内におけるキリシタンの弾圧を宣言することができる。宣言後、キリシタンの流行した地域でキリシタン弾圧チェックを行う。
3:一揆発生地域での徴税
   土、国、一向、キリシタン一揆の発生した地域では、それらがすべて鎮圧されるまで徴税できない。

※キリシタンルールの確認……それまでにキリシタン・マーカーが置かれている地域であっても、キリシタンの発生チェックが必要になった場合は再チェックの対象になる。今回の私達のシナリオでは、キリシタンは和泉からしか発生しないが、吉凶札が一巡し、再度発生した場合の対策としている。基本的に、マーカーはないもの(無視)として判定する。
 ただし、2回発生したからといってもゲームには影響を及ぼさない。

キリシタン弾圧チェック:サイコロ1D6 
 1   弾圧が成功!! 影響なし、
2〜6 一揆が発生!! +3の一揆チェックを行う

※この一揆は一向一揆と同じく服従工作はできない。

攻城戦か吉凶札、もしくは天草四郎によってのみ解決される。
南蛮貿易港に対し大名が弾圧を行った場合、その大名が支配している間は、南蛮人の渡来による特典は得られない。 

最後に
 というわけで、非常に長々と偉そうな文章になりましたが、少しでもメイルプレイの楽しさをわかっていただけたでしょうか?
 私もこの文章を書いている間に大阪から東京に転勤となり、メールサイクルを崩してしまいました。 そんなことで、皆さん、やるからには責任を持って頑張りましょうぞ!!(とはいえ、忙しい毎日…)


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更新日 : 2000/07/30 .